強制的に立ち止まって、見えたこと

これまで、多少の不調があっても、忙しくても、どうにか練習を途切れさせないようにしてきました。

練習できない日が続けば、もちろんもどかしい。

「練習したいな」

「もっと行きたいな」

と思うこともありました。

それでも、少し無理をすれば時間を作れることもあったし、なんとか練習を続けることができていました。

でも、今回は違います。

骨折して手術をして、今はどうにもこうにも練習できない。

無理に時間を作ったとしても、ジムへ行ったとしても、練習はできません。

休まざるを得ない。

こんな環境は、今までの私にはありませんでした。

だから最初は、本当にしんどかった。

試合に出られない。

練習できない。

昇格に向けて練習を積むこともできない。

仕事も思うようにできない。

家事も大変。

いろいろなことが重なって、ネガティブな気持ちにもなりました。

でも、少し時間が経ってみると、今までとは違うものが見えてきました。

今までの私は、柔術を頑張ることに一生懸命になりすぎていたのかもしれません。

強くなりたい。

試合に出たい。

上手くなりたい。

一緒に練習している人に追いつきたい。

追い越されたくない。

そんな気持ちで、知らず知らずのうちに自分を追い込んでいたのだと思います。

でも今回は、ムキになろうにも、ムキになれない。

練習できないのだから、比べようもない。

そこで初めて、少し離れたところから自分を見られるようになりました。

「そこまで頑張らなくてもいいんじゃない?」

「少ない練習でも、コツコツ続ければいいんじゃない?」

「人に追い越されたって、それはその人のペース。私には私のペースがある。」

そう思えるようになりました。

柔術は、これからも長く続けていきたい。

試合にも、また出たい。

でも、仕事もある。

家庭もある。

自分の身体も大切にしなければならない。

それでも、少しずつ続けていけばいい。

そう考えると、今まで自分が一つの道場の中で感じていた「誰が上手い」「誰に追いつきたい」という気持ちも、少し小さく見えてきました。

世界中で柔術をしている人たちのことを考えれば、私がいる一つの場所での順位なんて、本当に小さなことです。

だったら、自分の基準でいい。

自分が楽しめるペースでいい。

今回のケガは、本当にしんどいです。

痛いし、不自由だし、試合にも出られなくなりました。

それでも、強制的に立ち止まったからこそ見えたものがありました。

もし、今までのように「なんとかして練習しよう」としていたら、このことには気づけなかったかもしれません。

そう思うと、今回のケガから得たものも、ほんの少しあるのかなと思います。

今は治すこと。

そして、できることをする。

また練習できるようになったら、自分のペースで戻っていく。

今回の悔しさも、気づいたことも、全部持って次へ進みたいと思います。

一日一ミリ。
立ち止まったからこそ、見えた景色もある。

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